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Thursday, October 13, 2022

共同発表:スピン熱伝導物質のナノシート化に成功~熱の流量を操る「熱伝導可変材料」の開発を目指して~ - jst.go.jp

ナノメートル(nm)のサイズで集積化が進む電子デバイスにおいて、熱の蓄積や温度変動はデバイスの信頼性や性能を低下させる厄介者です。しかし見方を変えれば熱や温度差は貴重なエネルギー源と考えることもできます。厄介者の熱を効率良く逃がし、再利用するためには、素早く一様に排熱することに特化した既存の熱マネジメント材料に加えて、熱の流量を制御で きる熱伝導可変材料の開発が必要です。

東北大学 大学院工学研究科 応用物理学専攻の藤原研究室を中心とする研究グループは、アルカリ溶液を用いた簡便な化学的手法で厚さ数ナノメートルのスピン熱伝導物質の開発に成功しました。このナノシートの室温での熱伝導は、電気的に金属並みの高い状態とガラスレベルの低い状態で制御が可能と予想されるため、熱の流量を制御できる熱伝導可変材料や効率的な排熱と再利用に向けた熱制御デバイスへの応用が期待されます。

本研究成果は、英国学術出版大手シュプリンガー・ネイチャーが発行する2次元物質と応用に関するオンライン科学誌「npj 2D Materials and Applications」に2022年10月13日(現地時間)に掲載されます。

本研究は、科学技術振興機構(JST) 戦略的創造研究推進事業 さきがけ「熱輸送のスペクトル学的理解と機能的制御」(研究総括:花村 克悟 東京工業大学 工学院 教授)における「スピン熱伝導を利用した熱伝導可変材料の創出」(課題番号:JPMJPR18I7、研究者:寺門 信明)」、および日本学術振興会 科研費(若手研究(A))「スピン熱伝導性薄膜による能動的熱流制御」(研究課題番号:17H04811、研究代表者:寺門 信明)の支援を受けて実施されました。

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