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Saturday, February 26, 2022

《高断熱・高気密》“大工の応用力”生かし躯体を高性能化 - 新建ハウジング

近作の「上村の家」のLDK。梁や垂木をあらわしにした大らかな一室空間

今回は山梨県富士吉田市の大工工務店、天野保建築を紹介する。同社の代表である天野洋平さんは、大工として活動した後、高断熱高気密を前面に出し、元請けとしても活躍するようになった。その取り組みを見ていく。

※この記事は、最少人数で安定した受注を得ている工務店を取材し、経営手法や人気の秘密を探る新建ハウジングの人気連載「n(ナノ)工務店の経営術」の中から、2020年4月20日号・Vol.22をデジタル配信用に再編集したものです。
 

 

天野洋平さん。高校時代にウェイトリフティングで日本一になったこともある

天野さんは大学卒業後、2000年に大工の道に入った。父親が大工だったので、その手伝いから始めた。すでにプレカットの時代だったが、父親は手刻みをしていたため、天野さんは墨付けや刻みを学ぶことができた。

一方で大工を取り巻く環境は厳しかった。2000年の中ごろには仕事が減り、1~2カ月仕事がないときもあった。「大工として生き抜くには飛び抜けた技能が必要だと感じた」と天野さんは振り返る。そこで天野さんは2007年に訓練校に入学。2年間掛けて建築大工1級技能士の資格を取った。

下請けの限界を感じる

経験を積むなかで業界の見方も変わった。駆け出しのころ、元請けの工務店は建築を熟知していると思っていたが、実際には知識や技術がない工務店が多かった。未熟な現場監督を外し、その費用で腕のよい職人を集めたほうがずっとよい。そう思うこともしばしばだった。

そうした工務店に大工はなんでも屋として便利に使われており、現場によっては板金部材を渡して水切りの取り付けまでやらされていた。坪請けという契約のなか、付帯業務を大工に押し付けて費用削減を図る。そのやり方が業界では常態化していた。天野さんは下請けの限界を感じた。

大工が便利に使われるのは対応能力が高いからだ。大工が元請けとなればその能力を生かせる。建て主も余計な管理費を払わなくて済む。天野さんはそう考え、建て主から直接受注しようと決意した。

建て主に訴求するには住宅に特徴が必要だ。天野さんが着目したのが高断熱高気密・・・・

【残り2030文字、写真10枚】

続きは、新建ハウジング2020年4月20日号8~9面に掲載しています。

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