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Wednesday, February 5, 2020

【 dnf 】コマンド(応用編その8)――パッケージを更新する - @IT

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「Linux基本コマンドTips」のインデックス

Linux基本コマンドTips一覧

 本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、基礎編応用編その1応用編その2応用編その3応用編その4応用編その5応用編その6応用編その7に続き、「dnf」コマンドでパッケージを更新する方法です。

dnfコマンドとは?

 「dnf」は、Red Hat系のLinuxディストリビューションで使われている“RPMパッケージ”を扱うためのパッケージ管理コマンドです。ソフトウェアのインストール(install)や更新(update)、アンインストール(remove)の際に利用します。

 CentOS 7が採用している「yum」の後継となるコマンドという位置付けで、yumと同じサブコマンド、オプションを使用可能です(※1)。パッケージ管理システム「RPM」と「Yum」について、さらに「RPMデータベース」や「リポジトリ」という用語については、連載第42回を参照してください。

※1 CentOS 8では/usr/bin/dnfと/usr/bin/yumはともに/usr/bin/dnf-3へのシンボリックリンクとなっている。/usr/bin/dnf-3の実態はPythonスクリプト。なお、dnfのオプションのうち、従来の「yum」コマンドから廃止されたものはChanges in DNF CLI compared to YUM(外部サイト)で確認可能。



コマンドの書式

dnf [オプション] コマンド [パッケージ名など]

※ [ ]は省略可能な引数を示しています。

※パッケージ名には「?」記号(任意の1文字)や「*」記号を使用可能

※長いオプションはコマンドラインの最後に指定することも可能




dnfの主なオプション

短いオプション 長いオプション 意味
-y --assumeyes 全ての問い合わせに対して「yes」を選択したと見なして実行する
--assumeno 全ての問い合わせに対して「no」を選択したと見なして実行する
-C --cacheonly パッケージの情報を全くダウンロードせずに、キャッシュだけを使用する
--refresh コマンド実行前にパッケージ情報のキャッシュを強制的に更新する(※2)
-R 分 --randomwait=分 最大待ち時間(分)を指定する
-c 構成ファイル名 --config=構成ファイル名 構成ファイルを指定する
--enablerepo リポジトリID 指定したリポジトリを有効にする
--disablerepo リポジトリID 指定したリポジトリを無効にする
--repo リポジトリID 指定したリポジトリだけを有効にする(複数ある場合は「--repo」「--repoid」を複数回使用する)
--repoid リポジトリID --repoと同じ
--nodocs ドキュメントをインストールしない
--allowerasing 依存関係を解決するためにインストール済みパッケージの削除を許可する
--installroot=場所 インストール先を指定する
--downloaddir=場所 ダウンロード先を指定する
--downloadonly ファイルのダウンロードだけを行う
-x パッケージ名 --exclude=パッケージ名 除外するパッケージを指定する
--showduplicates dnfのサブコマンド「info」「search」で重複しているものも表示する
--color=指定 出力メッセージを色付きにするかどうかを「always」「auto」「never」のいずれかで指定する
-q --quiet 実行時にメッセージを出力しない
-v --verbose 詳しいメッセージを出力する

※2 通常、キャッシュが古い場合は自動更新がかかる。更新までの残り時間は/etc/dnf/dnf.confの「metadata_expire」で変更可能。デフォルトは48時間。



dnfの主なコマンド(パッケージ操作関係)

コマンド 実行内容
install 指定したパッケージに加え、依存関係があるパッケージもインストールする(既にインストールされていた場合は更新する)
reinstall パッケージを再インストールする
downgrade パッケージを以前のバージョンのものにダウングレードする
remove パッケージを依存関係のあるパッケージとともに削除する
autoremove 依存関係のためにインストールされていた不要なパッケージを削除する
upgrade パッケージを更新する(本文を参照、※3)
upgrade-minimal 不具合の修正や機能追加、セキュリティ対応など「重要な更新」だけを更新する(※3)
distro-sync 最新の利用可能なバージョンへインストール済みパッケージを同期する
mark install 指定したパッケージを手動でインストールしたものとする(autoremoveの対象外となることが利点、「dnf mark remove パッケージ名」でマークを削除)

※3 パッケージを指定しなかった場合はインストール済みの全パッケージが対象となる。



dnfの主なコマンド(情報関係)

コマンド 実行内容
info パッケージの情報を表示する(「--installed」「--upgrade」などのオプションが使用可能)
list パッケージを一覧表示する(「--installed」「--upgrade」などのオプションが使用可能)
deplist パッケージの依存性の一覧を表示する
group パッケージグループのサマリーを表示する(※4)
search 指定した文字列でパッケージの詳細を検索する
repoquery キーワードに一致するパッケージを検索する(※5)
provides ファイル名などを指定して、該当するファイルを提供するパッケージを検索する
repolist ソフトウェアリポジトリの構成を表示する

※4 サブコマンドとして「list」「info」「remove」「install」「upgrade」「summary」「mark」を使用可能。「dnf group list」のように使用する。デフォルトはsummaryで、インストール済みのグループの個数やインストール可能なグループの個数を表示する。
※5 例えば「dnf repoquery --requires パッケージ名」で指定したパッケージが依存するパッケージを表示する。



dnfの主なコマンド(メンテナンス関係/その他)

コマンド 実行内容
makecache パッケージリストを格納したデータベース(リポメタデータ)をダウンロードし、キャッシュを作成/更新する
check ローカルのパッケージデータベースに問題がないかどうか確認する
check-update 更新に利用できるパッケージを確認する
clean キャッシュデータを削除する
shell 対話型のシェル(DNFシェル)を実行する
updateinfo リポジトリの更新情報を表示する
history パッケージのインストールや削除の履歴を表示する


パッケージを更新する

 「dnf upgrade パッケージ名」で指定したパッケージを最新版に更新します(画面1)。パッケージは複数指定可能で、「git*」のようにアスタリスクを使って指定できます。依存パッケージなどがある場合は、必要に応じて同時に更新されます。

 システム全体を最新版にしたい場合は、パッケージを指定せず「dnf upgrade」のようにします(画面2画面3)。さらに、グループ(連載第372回連載第373回)を指定したい場合は「dnf group upgrade グループ名」のようにします。

 dnfコマンドでパッケージを更新する際にはroot権限が必要です。「sudo」コマンド(連載第68回)などを利用してください。

 なお、「upgrade」の代わりに「update」も使用できます(※6)。

※6 旧yumコマンドの場合、「yum update」はパッケージの更新、「yum upgrade」は廃止パッケージの置き換えも含めた更新という違いがあったが、dnfコマンドの場合、両者に違いはない。



コマンド実行例

dnf upgrade パッケージ名

(指定したパッケージを更新する)

dnf upgrade bash

(「bash」パッケージを更新する)

dnf upgrade git*

(名前が「git」から始まるパッケージを更新する)

dnf group upgrade グループ名

(指定したグループのパッケージを更新する)

dnf upgrade

(システムにインストールされているパッケージを全て更新する)


画面1 画面1 bashパッケージを更新したところ
画面2 画面2 システムにインストールされているパッケージを全て更新しようとしているところ
画面3 画面3 システムにインストールされている全パッケージの更新が完了したところ 「全パッケージの更新」により「centos-release」パッケージも更新されたため、バージョンが変化している。


「dnf install」と「dnf upgrade」の違いを確認する

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