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Wednesday, July 26, 2023

【半導体】応用物理学会 、9月19日にシンポジウム『再起する日本 ... - 加工技術研究会

 応用物理学会は、第84回応用物理学会秋季学術講演会(2023年9月19日~23日)の一環として、2023年9月19日に一般の人も対象としたシンポジウムを熊本城ホール(熊本県熊本市)およびオンライン(Zoom)で開催する。このシンポジウムは、日本を舞台とするロジック半導体開発のキープレイヤーが集い、ビジネス、国策、応用物理における最前線の議論を繰り広げる。参加者にはまず、台湾積体電路製造(TSMC)とソニーグループによる新工場誘致に沸く熊本県より副知事の木村 敬氏。さらにTSMC、ソニーセミコンダクタソリューションズ、デンソーによる合弁会社、「Japan Advanced Semiconductor Manufacturing」(JASM)より取締役社長の堀田祐一氏、回路線幅2nmの次世代ロジック半導体の量産を掲げるラピダスより代表取締役社長の小池淳義氏、ラピダスの設立および「技術研究組合最先端半導体技術センター(LSTC)」の立ち上げに関わった経済産業省 商務情報政策局 情報産業課長の金指 壽氏を招き、講演およびパネルディスカッションを行う。

日本の半導体産業における、この先10年の近未来が「2023・熊本」にある
 「2023・熊本」は、日本のロジック半導体開発のターニングポイントになるのかもしれない。半導体受託生産で世界トップクラスを誇る台湾積体電路製造(TSMC)は、ソニーグループと共同で、熊本県菊陽町での工場建設を進めている。また同社は、6月には第二工場についても熊本県を優先する考えを示している。実現すれば、熊本県は日本屈指のロジック半導体開発の要衝となる。
 熊本で開催される今年の応用物理学会秋季学術講演会のシンポジウム『再起する日本の先端ロジック半導体』では、これから先10年の日本と世界の半導体産業の革新を担うであろうキープレイヤーが一堂に会す。世界のロジック半導体産業の動向、日本のロジック半導体開発の要を担うラピダス、研究開発に巨費を投じる経済産業省、TSMCを誘致した熊本県の今後の動きについて議論し知見を共有する、またとない機会となるはず。

国産「2ナノ」で、世界最先端を開拓する
 経済産業省は、先端ロジック半導体を「我が国のミッシングピース」とし、経済安全保障上の戦略的自律性の強化のため、国内製造基盤の確保、次世代製造技術の国産化を進めるとしている(経済産業省『半導体・デジタル産業戦略について(要点)』より)。AIから自動運転までの「産業の脳」と呼ばれる先端ロジック半導体における日本の開発力は過去の栄光の産物となって久しく、世界最先端からの遅れは10年とされている。日本はこの状況を打開すべく、アメリカとの協力体制を築いてきた。
 再起の基盤が、回路線幅2nm超のロジック半導体量産を掲げる民間企業のラピダス。その研究を支えるのが「技術研究組合最先端半導体技術センター(LSTC:Leading-edge Semiconductor Technology Center)」。ラピダスにはすでに計3300億円もの国費が投じられている(2023年7月4日現在)。国家戦略として、世界最先端の2nmの量産を掲げることは壮大なチャレンジだと言える。また政府は2020年代後半に次世代半導体の設計・製造基盤の
確立を目指している(経済産業省『次世代半導体の設計・製造基盤確立に向けて』より)。まさに、これが日本のラストチャンスという意気込みを感じさせる一大プロジェクト。

半導体産業をめぐる地政学
 TSMCは、もはやいち企業以上の存在感を持つ。現代は先端ロジック半導体の開発拠点の地理的条件が、国際社会において地政学的に大きな意味を持つ時代。アメリカと中国、西側諸国とロシアの国際的緊張関係が後押しし、先端ロジック半導体において、日本は国際的な緩衝地帯と言える。国際社会の緊張が、奇しくも、またとない日本のロジック半導体再起をかけた機会になっている。技術的、国際的にも「2023・熊本」は、この先10年のロジック半導体開発におけるキーストーン。

<スケジュール(敬称略)>
 シンポジウム『再起する日本の先端ロジック半導体』
 2023年9月19日(火)
 熊本城ホール(熊本県熊本市)およびオンライン(Zoom)

 Opening 13:30~13:35(5分)
 井田次郎(金沢工大、シリコンテクノロジー分科会 幹事長)
1)応用物理学会会長挨拶 13:35~13:45(10分)
  東京大学 応用物理学会会長 平本俊郎 
2)経済産業省からのご挨拶とご講演 -国の半導体関連施策と状況- 13:45~14:15 (30分)
  経済産業省 商務情報政策局 情報産業課長 金指 壽
  概要:経済産業省から半導体に関する施策、及び、状況
3)※講演タイトル未定 14:15~14:45 (30分)
  JASM取締役社長 堀田祐一
休憩(名詞交換) 14:45~15:05(20分)
4)ラピダスが目指す世界 ‒ その戦略と展望 15:05~15:35 (30分)
  ラピダス 代表取締役社長 小池淳義
  概要:日本の先端ロジック半導体の再起にとどまらないラピダスが目指す世界についてその戦略と展望を解説。
5)熊本県からのご挨拶とご講演 -熊本県の半導体関連施策と状況- 15:35~16:05(30分)
  熊本県副知事 木村 敬
  概要:TSMC誘致でさらに活性化する熊本県の半導体関連の施策、及び、現状
6)パネル討論 - 日本の先端ロジック半導体の再起に向けて - 16:05~17:25 (80分)
  モデレータ:若林 整 (東工大)
  パネラー :熊本県副知事 木村 敬
        経済産業省 商務情報政策局 情報産業課長 金指 壽
        ラピダス 代表取締役社長 小池淳義  他
  概要:日本の先端ロジック半導体の再起に向け、その話題の中心の方々に語っていただく
Closing 17:25-17:30(5分)
  遠藤和彦(東北大、シリコンテクノロジー分科会 前幹事長)

■先端ロジックの技術に関するシンポジウムも9月21日に開催される。
 シンポジウム『日本が挑む最先端ロジックへの再挑戦』
 第84回 応用物理学会 秋季 学術講演会 シンポジウム(T19)
 企画:シリコンテクノロジー分科会 共催:エレクトロニクス実装学会
<日時・場所>
 2023年9月21日(木)13:30~16:55 A201(熊本城ホール)
 日本国内で2nm級ロジックデバイス開発への挑戦が始まった。本シンポジウムでは、最前線で技術開発をリードする研究開発者の皆様を招き、日本が挑むべき最先端のデバイス・配線・プロセスおよび実装技術からチップレットやシステムの全体設計について講演いただく。
<招待講演>
・先端ロジックデバイス技術
 山下典洪(アイ・ビー・エムリサーチ)
・ロジック半導体技術ロードマップと差異化技術:~半導体研究開発オープンプラットフォームとその戦略的位置づけ~
 林 喜宏(産総研)
・先端世代のロジック技術の展望とそのソリューション
 山本知成(東京エレクトロン)
・先端ロジックデバイスにおいて銅の次に来る新しい配線材料とは?
 小池淳一、久家俊洋、Chen Linghan(東北大工)
・チップレット時代における半導体パッケージ革命
 折井靖光(ラピダス)
・Agile設計および先端CMOSプロセスを活用した高性能 高機能暗号実現
 池田 誠(東大)

第84回 応用物理学会秋季学術講演会 シンポジウム(T19)
企画:シリコンテクノロジー分科会 共催:エレクトロニクス実装学会
代表世話人:遠藤和彦(東北大・産総研) 世話人:井田次郎(金沢工大)、松永範昭(AMJ)、福島誉史(東北大)
【シンポジウム「再起する日本の先端ロジック半導体」参加方法】
 オンライン参加 無料
 応用物理学会大会HP内の「一般公開シンポジウム」のページに、ZoomウェビナーのURLを掲載するので、クリックして参加ください。どなたでもご参加いただけます。当シンポジウムについては、当日のみ御覧いただけます。後日録画配信はありません。
 一般公開シンポジウムページURL:https://meeting.jsap.or.jp/opensymposium (8月下旬頃公開予定)
現地参加 有料
 熊本城ホールで現地参加いただく場合は、「応用物理学会秋季学術講演会」への参加申込が必要。会員12,000円、非会員23,000円(8/31までの前期参加申込割引価格)。シンポジウムのみの販売はありません。
 以下URLより申込むと、参加票が発行できるようになります。当日は、自身で参加票を印刷して、直接会場(熊本城ホールA401)にお越しください。会場付近に参加票ホルダーをよいういしていますので、参加票を首から下げて聴講ください。受付はございません。こちらの参加票で、9/19~23に開催の応用物理学会秋季学術講演会の全ての講演(有料セミナー除く)にご参加可能。

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