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Monday, June 6, 2022

応用地質・天野洋文専務「DX推進し地中を『見える化』」 - Nikkei Business Publications

聞き手/藤井 省吾(日経BP 総合研究所主席研究員)

デジタル投資を積極的に進め、事業の創出とビジネスモデルの深化に注力する。頻発する自然災害への備えとして防災・減災に取り組み、レジリエント(強靭)な社会構築に寄与する。

中期経営計画「OYO Advance2023」では、デジタルトランスフォーメーション(DX)によるイノベーション戦略を成長の鍵と位置付けています。

天野 洋文(あまの・ひろふみ)

天野 洋文(あまの・ひろふみ)

応用地質 取締役専務執行役員 情報企画本部長
1990年玉野総合コンサルタント入社、2003年ケー・シー・エス入社、05年同社代表取締役、17年応用地質取締役、常務執行役員、情報技術企画室長(現情報企画本部長)、22年応用地質専務執行役員(写真:大槻 純一)

天野 洋文 氏(以下、敬称略) 地質調査の専業企業として、当社の「インフラ・メンテナンス」「防災・減災」「環境」「資源・エネルギー」という4事業は、いずれも社会課題の解決を主軸に据えています。それぞれの事業でデジタル技術に積極投資し、調査や分析などにIoT(モノのインターネット)や人工知能(AI)、クラウドなどを導入して、行政や顧客のDX化を支援しています。

 DX戦略を推進して事業を創出し、既存ビジネスモデルを深化させ、働き方改革や生産性の革新的向上を進めます。デジタル化が進むことで利益率が高まるとともに、競合他社に対して優位性を維持することもできます。

社会のサステナビリティ構築に向けた貢献が求められています。

天野 サステナブル経営を基本方針に、4つの事業を通じて「社会価値」「環境価値」「顧客価値」という3つの価値の最大化を目指しています。

 インフラ・メンテナンス事業では、地下埋設物の情報提供サービスで埋設管事故ゼロ、電線の地中化、災害時のライフラインの迅速復旧に貢献しています。防災・減災事業では、土砂災害などの自然災害からの逃げ遅れをなくすためセンサーを活用した「スマート防災」に取り組んでいます。環境事業では、自然災害により発生した廃棄物を計画的に処理するサービスも立ち上げました。

 資源・エネルギー事業では市場拡大が期待される洋上風力発電による再生可能エネルギー開発を支援するため、海底の地盤調査を効率的に行なっています。

災害に強いまちづくりに寄与

地盤の重要性が再認識されています。

天野 福岡市博多駅前の道路陥没や、東京都調布市の外環道陥没など社会インフラに関連した事故が発生し、普段生活している地盤の重要性を改めて認識する機会が増えています。

 地下にどのような構造物が埋まっているかは、それぞれの事業者が管理しているので、全体を見渡せる立体地図はありません。例えば建物の基礎工事に必要なくいを打つ支持層や地下水の分布、道路工事に使うガス管や上下水道管などの正確な位置情報があれば、今まで以上に効率的に工事ができるようになり事故を減らすことができます。

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