第103回全国高校野球選手権大会準決勝 智弁学園3ー1京都国際 ( 2021年8月28日 甲子園 )
準決勝2試合があり、智弁学園と智弁和歌山が勝ち、29日の決勝は「智弁対決」となった。智弁学園は先発した小畠一心投手(3年)が4回に決勝3ランを放ち、投げても3安打1失点完投し初の決勝進出を果たした。智弁和歌山はエース右腕の中西聖輝投手(3年)が4安打1失点完投し準優勝した2002年以来、19年ぶりの決勝進出を決めた。
最後も小畠一心は思いきり腕を振った。9回2死。間を取った主将・山下陽輔の「ギアを上げていけ」の言葉にラストも直球勝負。140キロでバットに空を切らせた。
「最少失点で抑えて、決勝にいけた。最後まで全員で力を合わせてやりたい」
決勝点も自らのバットでもぎ取った。4回2死一、二塁、高めスライダーに腕をたたんで反応し左翼へ3ラン。高校通算2本目を大一番で放った。「まさかの本塁打。体に向かってきた球を打てた。左飛と思ったけど、風に乗って周りの反応が変わり、もしかしたら、と思った」。打撃練習は大会前に軽く行う程度だが、中学時代はU15日本代表で5番を打ったセンスを発揮。前打者・植垣洸のスクイズ失敗の嫌な流れをひと振りで引き戻した。
本塁打を生んだ浜風を投球にも応用した。中堅から右なら長打はないと、真っすぐを左打者の内角、右打者の外角の高めに投げて変化球は低めに制球。6回以降は内野安打1本に抑えた。今春選抜の広島新庄戦、今夏3回戦の日本航空戦に続く先発で3試合連続完投勝利。1年夏の八戸学院光星戦に先発し武岡龍世(現ヤクルト)らに2発を浴びるなど2回4失点でKOされ「マウンドに上がるのが怖い」と自信を失った右腕が、仲間の支えもあり「強い3年」として君臨した。
決勝の相手は智弁和歌山。昨秋は学校の修学旅行と近畿大会が重なった関係で、12月に両校野球部で合同修学旅行を実施した。四国、山陽方面へ3泊4日の旅は青春の思い出だ。高嶋奨哉や徳丸天晴ら和歌山の選手と一緒に食事をし、野球以外の話も朝方まで続けた。「それでも本校として決勝は負けられない」と対抗意識を燃やす。左腕・西村王雅の先発が濃厚だが、一心の名前の通り、心をひとつにして頂点を取る。(鈴木 光)
▽系列校同士の甲子園決勝 夏の甲子園では智弁和歌山―智弁学園が史上初めてとなる。センバツでは過去に1度。1972年の日大桜丘―日大三の決勝で、東京勢同士の対戦でもあった。試合は後に近鉄で活躍し「ジャンボ仲根」と呼ばれた日大桜丘の長身エース・仲根正広が力投。5―0で勝って初優勝した。ちなみに、センバツでは1948年に京都一商―京都二商という京都市内の公立校同士の決勝もあった。
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