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Wednesday, April 1, 2020

施設・在宅それぞれの悩みを解決! 事例に学ぶ・応用編 - 株式会社CBコンサルティング(CBnews)

【法律事務所おかげさま 代表弁護士 外岡潤】

 これまで、ケアハラスメントへの基本的な対処法(第1回ケアハラスメントから現場職員を守れる経営者に)、事例を基にした実践的対処法(第2回ケアハラスメントが発生! 申し入れから解除まで・総論)を解説しました。最終回となる本号では、より実践的な内容として、事業の形態別の傾向と対処法をご紹介します。実は事業形態に応じて、実際に生じるハラスメントの種類や対処法が若干異なってくるのです。

 ご存知の通り、介護事業には大別して「訪問型」(訪問介護、訪問看護等)と「施設型」(特養、老健、グループホーム、有料老人ホーム等)の2種類があります(デイサービスやショートステイ等については、訪問型と施設型双方の性質を有するため割愛しましたが、該当する箇所を適宜ご参照ください)。

 最大の違いは、「いざ解除に踏み切ろうとした時、実質的に縁を切ることができるか」という点です。訪問型やデイサービス(お泊りデイを除く)であれば、事業所がサービスの都度、利用者宅を訪問するなど、「ずっと施設内に居ていただく」ということがないため、事業所から解除を通知した後は以後の利用を断ることが可能です。端的に言えば、もうヘルパーを派遣しなければよいのです。

 一方、施設型の場合は、入居者の生活の拠点となっているため、事業所から解除したところで実際に退去していただくには入居者側の協力が不可欠です。ここが最大のネックであり、前号で、<施設として物理的に入所者を退去させることはできないため、こちらから法的措置を取らない限り(言葉は悪いですが)「居座られてしまう」という事態になりかねません>と記載した通りです。
 入居者家族にとっても施設から解除通知を送られることは脅威ですが、施設型の場合、契約解除は文字通り最後の手段であることを重々認識すべきと言えるでしょう。

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