慶應義塾大学理工学部物理情報工学科の牧英之教授と同大学院理工学研究科博士課程2年の俣野眞一朗、米国・ライス大学電気・コンピューター学科の河野淳一郎教授らの研究グループは、一次元ナノ材料であるカーボンナノチューブが高密度・高配向に積層したカーボンナノチューブ配向膜を用いて、高速に変調(オン/オフ)できる偏光熱光源の開発に成功しました。
偏光した光は、物質分析やバイオ分析、創薬などの分野で重要であり、基礎研究から産業界まで広く活用されています。しかしながら、これらを応用した高感度化や時間依存測定には、マクロサイズの偏光板や光チョッパーを用いるため小型・集積化が困難なことや、高速な変調速度が必要にもかかわらず、最大でも数kHz程度と低速であることが問題となっていました。
今回、カーボンナノチューブを最密充填した高密度のカーボンナノチューブ配向膜を用いた発光素子を開発し、赤外広波長帯域で高速に偏光発光する熱光源を実現しました。本光源は、チップ上に微細加工したマイクロ偏光熱光源となることから、さまざまな場面で需要が高まりつつある分析・センシング技術の発展に貢献すると期待されます。
本研究成果は、2023年10月26日に米国化学会(ACS)のNano Lettersオンライン版で公開されました。
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