【東方新報 7月15日】先般上海市で開催された「上海世界移動通信大会」(Mobile World Congress Shanghai)では、個人消費分野の5G技術のほか、鉱山、港湾、工場などで利用可能な応用技術分野の集中的な展示が目を引いた。「中国の5G発展はすでに規模化の重要な時期に入り、今後適度な先行投資を行い、基盤インフラを強化することで、応用技術の規模を拡大する必要がある」と専門家は言う。
工業と情報化部の趙志国(Zhao Zhiguo)総工程師は、「現在、中国は世界最大規模で最先端のブロードバンドネットワークインフラの建設が進み、これからは『よく整備した』から『よく利用できる』時代へと急速なアップグレードの段階にある」と述べている。
今年5月末時点で累計285万か所の5Gステーションが建設され、地方級都市や県の主要地区は全て網羅されたという。また5G業界では1万6000個を超える「メタバースプライベートネットワーク」が構築され、垂直統合管理型企業のデータの個別化や自主管理などの需要に応えている。5G移動電話ユーザーは6億5100万人で移動電話ユーザーの38%を占めるまでになった。
技術イノベーションの面では、5Gシステム、マイクロチップ、端末デバイス、計器など比較的完備された産業チェーンが構築された。5G技術では継続的なブレークスルーが進み、大容量アップロードバンド、ネットワークスライシング、エッジコンピューティングなどの能力が常にアップグレードされているという。
同大会の展示エリアでは、出展企業が生き生きとした3D方式で「5G技術が生活や生産をどのように変えるか」を来場者に体感させていた。中国移動通信集団(チャイナモバイル、China Mobile)のブースのメタバースエリアでは、5Gネットワークがサポートするクラウド拡張現実、アバターを使って五つのメタバース空間を楽しめるスター広場などのイノベーション製品が注目を集め、たくさんの来場者がヘルメットを被って、異次元な没入型の視聴覚体験を楽しんでいた。また同社が紹介する鉱山、港湾、電力などでの5G応用技術の成果にも注目が集まった。
最大のブース面積を占めた聯想(レノボ、Lenovo)は、5G技術の運営会社と協力して、垂直型企業のさまざまな企業管理の場面に対応するイノベーションと汎用ソリューション技術を、初めて総合的に展示した。スマート産業園、スマート工場に対応する5Gクラウド化基地局、5G軽量コアネットワーク、5G産業専用ネットワークなどが紹介された。
5Gは科学技術革命と産業変革を推進する重要な力となっているが、今後も深化を推し進めるためには、不十分なネットワーク速度、複雑な場面におけるネットワークの不完全なカバー力、驚異的な応用技術がまだ出ていないことなど、ボトルネックの解決が必要で、5G応用技術はコスト、投資、カバー能力、融合技術などの面で、依然大きな課題に直面している。
中国移動の高同慶(Gao Tongqing)副総経理は「5Gの進化のため三つの目標を達成すべき」と分析する。第一に、より厳しい条件を満足できる工業用インターネットなどのネットワーク性能向上と5G技術の基礎固め、第二に、車載通信ネット利用の統合交通管理や全方位情報サービスなど5G能力の境界の拡張と新しい5Gアプリケーションの開拓、第三に、5GとAI技術の融合による産業コストの削減と効率の向上、これら三つが目標だという。
中国の大手IT企業・華為技術(ファーウェイ、Huawei)の孟晩舟(Meng Wanzhou)副董事長は、5Gの商業的成功への道は「技術統合と管理変革の体系的な能力」が特に重要だと強調する。「デジタル化と知能化への構造転換は、単なる技術問題だけではなく、もっと重要なことは管理の変革であり、組織の中で『人、事、物、理論』を再構築し、前向きで開放的なマネジメントマインドを持って将来の課題に挑戦することだ」と語る。(c)東方新報/AFPBB News
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