大阪大学は2022年内にヒトのデジタルツインを疾患研究に応用する新しい研究体制を本格的に発足させる。同大学の「ヒューマン・メタバース疾患研究拠点」が文部科学省の2022年度世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)に採択されたと2022年10月14日に発表した。ヒトの体内で生じる生命現象や病気になるプロセスを仮想空間内で再現し、疾患の発症メカニズムの解明などを目指す。
NTT物性科学基礎研究所と連携し、ヒトのデジタルツインである「バイオデジタルツイン」を構築する。ヒトの検査結果や食生活などのデータ、iPS細胞などから作ったミニチュア臓器の「オルガノイド」の実験データを一緒に解析してモデル化する。オルガノイドのデータも扱うことで、人体に異常をきたす原因を細胞や分子レベルで特定しやすくなると期待できるという。
まずは2025年ごろにかけて網膜や肝臓、軟骨、卵巣などの組織や臓器を対象にしたバイオデジタルツインを作る。その後、網膜・視神経変性疾患や非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、変形性関節症、アルツハイマー病、心不全、不妊症、低身長症など9つの疾患を対象に発症メカニズムの解明を進める。将来的には、バイオデジタルツインは新しい治療法の開発に生かせるほか、仮想的な臨床試験に利用できる可能性があるとする。
また、様々なバイオデジタルツインを共有する情報空間の「ヒューマン・メタバース」を構築し、世界中の研究者などが利用できるようにする。「まずは大阪大学サイバーメディアセンターの協力を得てサーバーを設置し、メタバースのプロトタイプを構築する。将来的には外部のクラウドを使って発展させていきたい」と同拠点長に就任予定の大阪大学医学系研究科の西田幸二教授は話している。
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