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Friday, September 16, 2022

東京工業大学などが触媒能持つバイオ電極を開発、燃料電池やセンサーに応用 - ITpro

全546文字

 東京工業大学と米シラキュース大学の共同研究グループは、グラファイト表面へのペプチドの自己組織化によって触媒能を持つ新規バイオ電極を開発した。これまでの酵素電極を用いたものと同等の反応効率を示すことが確認できた。バイオ燃料電池や標的物質の濃度を知るバイオセンサーへの応用が期待できるという。

<研究の概要>

キーワード バイオ電極、ペプチド、自己組織化、グラファイト、ヘミン分子、電極化学触媒反応、天然酵素、バイオ燃料電池、バイオセンサー
関連研究者 早水裕平、駱偉(Wei Luo)、イヴァン・コレンドビッチ(Ivan Korendovych)
関連研究機関 東京工業大学、シラキュース大学
関連論文掲載先 Nanoscale
関連論文タイトル De novo designed peptides form a highly catalytic ordered nanoarchitecture on a graphite surface
関連論文URL https://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2022/NR/D2NR01507B
詳細情報 https://www.titech.ac.jp/news/2022/064525

 研究グループは、7つのアミノ酸から成るペプチドをグラファイト表面に自己組織化させ、緻密な集積構造を作製することに成功した。その表面に補因子としてヘミン分子を固定化することで触媒反応を可能とする電気化学界面を開発した。電極化学触媒反応の実証として、表面のヘミン分子を用いて過酸化水素を還元する実験を行った。これにより高触媒活性を持つペプチドが最も高い反応電流を示すことを確認した。天然酵素(西洋ワサビペルオキシダーゼ)を使用した酵素電極に匹敵する効率で電気化学触媒反応を実現した。

 研究グループによれば、高価な天然酵素を用いずにそれを模倣した反応が実現できれば、さまざまな触媒反応の低コスト化につながる。ナノ材料であるグラフェンを使用した高感度センサーや、他のナノ材料の表面修飾にもペプチド・補因子集積技術が使用可能になれば、効率的で安価かつ環境に優しい新たな電気化学触媒の幅広い応用につながるという。

左は、グラファイト表面に規則正しく自己組織化したペプチド(緑)にヘミン分子(赤)が自発的に吸着する様子を示した模式図。右は、最終的に形成されるグラファイト表面でのペプチド(緑)とヘミン分子(赤)から成る複合分子集合体を上から見た図(出所:東京工業大学)

左は、グラファイト表面に規則正しく自己組織化したペプチド(緑)にヘミン分子(赤)が自発的に吸着する様子を示した模式図。右は、最終的に形成されるグラファイト表面でのペプチド(緑)とヘミン分子(赤)から成る複合分子集合体を上から見た図(出所:東京工業大学)

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