運動しないことで筋肉量が減るメカニズムについて、神戸大大学院医学研究科糖尿病・内分泌内科学部門の小川渉(わたる)教授らの研究グループが、世界で初めて解明したと発表した。細胞内のカルシウム濃度の低下が引き金となり、3種類のタンパク質が筋肉を減らす作用をすることを発見。関節の動きが低下し、筋肉量が減少することで腰痛、骨折を招く恐れがある疾患「廃用性筋萎縮」などの治療薬への応用が期待される。
グループは、マウスの後ろ脚をギプスで固定し、運動できない状態をつくって特殊な顕微鏡で観察。細胞内にカルシウムを取り込む機能に必要なタンパク質「Piezo1」の量が減り、体内のカルシウム濃度が下がることを確認した。
さらにカルシウム濃度が低下すると、「KLF15」など別のタンパク質2種類の量が増え、筋肉を減らす働きをすることを突き止めた。
現在、筋肉の減少に有効な治療薬は存在しない。小川教授は「今回の発見を基に、タンパク質に作用する薬剤を開発して、筋肉量減少の治療薬や予防薬の開発につなげたい」と話している。
今回の発見をめぐる論文が先月中旬、米科学誌に掲載された。(津谷治英)
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