フルートの部品を製造している埼玉県狭山市の金属加工会社が、持ち味の技術を生かしたジュラルミン製の耳かきを開発した。楽器の音色の良しあしを左右する精緻な工法を応用した耳かきとあって、「耳に当たる感覚に何ともいえない心地よさがある」と開発者。1点3900円という高めの価格設定にもかかわらず、売上額は当初目標の10倍以上に達している。
耳かきは「宮岡精工所」の宮岡大樹さん(28)が開発した。クラウドファンディングサイトのMakuake(マクアケ)で「応援購入」という形式で買い求めることができる。
価格の高さから目標金額は控えめに15万円と設定したが、予想に反して2月3日の募集初日に4倍以上に達し、今月25日時点で180万円以上が集まった。
宮岡精工所はフルートの管とパイプをつなぐ「ポスト」と呼ばれる細かい部品などを製造している。新型コロナウイルス感染拡大長期化の影響で管弦楽や吹奏楽の演奏会の機会が減り、楽器の修理を受け付ける回数が減ってきていることを背景に、部品製造の技術を生かした新商品の開発に踏み切った。
耳かき作りには、フルートの部品製造で用いる、丸い棒を旋盤で削って加工する技術を応用した。形状はフルートの外観をイメージし、シルバー、メタルブラックなど4色を用意して見た目の高級感にもこだわった。
「耳かき好き」を自称する宮岡さんは「子供の頃から耳掃除をしてもらうのが好きで、いろいろな耳かきを集めては試し、それぞれの使い心地にこだわりがあった」。新商品開発は、技術者としての手腕を生かしただけでなく、少年時代から積み重ねてきた〝研究〟の成果を発揮する場にもなった。
耳かきの販売は5月2日まで行う予定で、売れ行きなどを踏まえて製造を継続するかを判断する。(兼松康)
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