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Monday, February 28, 2022

Blu-ray Discの技術を業務用光ディスクに応用した「Professional Disc for DATA」:スイートメモリーズ File083 - Engadget日本版

[名称] Professional Disc for DATA(PDD)
[種類] 光ディスク(405nm)
[記録方法] 相変化記録
[サイズ] 120mm
[容量] 23.3GB
[登場年] 2004年頃~

連載:スイートメモリーズ

「Professional Disc for DATA」(PDD)は、ソニーが開発した光ディスク。Blu-ray Disc Rewritable(BD-RE)の技術を使い、映像向けではなくデータ用のメディアとして登場しました。

実はこのProfessional Disc for DATAの前に、ソニーは5.25インチMOの後継モデルとなる、405nmの青紫色レーザーを使用したエンタープライズ向けの光ディスクを策定していました。それが、Ultra Density Optical(UDO)。Plasmonなどと共に開発を進めていたのですが、なんと、製品化する前に離脱しています。

このままエンタープライズ向けの光ディスクから手を引く……のかと思いきや、単独で製品化したものが、Professional Disc for DATAとなります。

しかしこの名称、なんでわざわざ末尾に「for DATA」とついているんだろう、と不思議に思った人は多いのではないでしょうか。もしかして、DATA用以外もあるのでは……と考えたのであれば、さらに鋭いです。

まったくもってその通りで、元々、プロ向け映像システム「XDCAM」用の記録メディアとしてProfessional Discは誕生しています。これのデータ向けなので、for DATAというわけです。といっても発表時期はほぼ同じなので、映像用をメインとしつつデータ用にも用途を広げることで、メディアとしての価値を高めようと考えた……のではないでしょうか。ボリュームが増えれば、製造コストを下げることも可能ですしね。

そう考えると、用途が被るUDOから撤退したのも納得できます。

ということで、カートリッジを見ていきましょう。

カートリッジを採用していた初期のBD-REとそっくり。二つ並べて見比べると、馬蹄形の溝が円ではないとか、左下に欠けのある円形の溝が増えたとか、上部に2ヶ所凹みが追加されているといった違いはありますが、ほぼ間違い探しレベルです。

BDはその後カートリッジなしに変更されましたが、ソニーとしては、カートリッジは残したかったのでしょうか。コストは高くなりますが、メディアの信頼性を考えれば、カートリッジはあるほうが安心です。エンタープライズ向けならなおのこと。

裏面も基本的には初期のBD-REとそっくりですが、シャッターが挿し込み口側だけでなく、下まで全通となっているのが大きな違い。このシャッターを少し開けてみましょう。

こんな感じに、手前だけでなく奥までガパッと開きます。BD-REでも十分カッコよかったですが、全体が開くProfessional Discの方が更にカッコよさが増してますね。

ちなみに、このシャッターは通常開きません。横のボタンを押しつつ、インナーローターを回すことで開くという仕組みになっています。

白いのがロック用のボタンで、その左、ボリュームスイッチのようなものがインナーローターです。この仕組みは、当然ながらBD-RE譲りです。

Professional Disc for DATAは書き換え可能な「PDDRW23」と、1回だけ書き込めるライトワンスの「PDDWO23」という2つのカートリッジが用意されていました。人気があまりなかったのか、XDCAM用では2層の50GB、3層の100GB、4層の128GBと容量が増えていったのに対し、for DATAは1層23.3GBだけで終了となってしまいました。

普及しなかったのは、小規模なところであれば、信頼性は下がってもコストの安い民生品BDのほうが使いやすかった、というのはありそうです。また、規模が大きくなれば、そもそも23.3GBでは容量が足らないことも影響しているでしょう。もちろん、大容量が扱える最大67枚収納可能なオートチェンジャーもありましたが、年々巨大化していくデータの保存には限界があります。

正確なデータはありませんが、メディアの供給体制や販売経路の広さを考えると、UDOの方が普及したのではないでしょうか。国内外の中古品流通量を見ると、それが実感できます。

連載:スイートメモリーズ

参考:

データアーカイブやサーバ用途向けに最大40GBの大容量データ記録を可能にする次世代書き換え型光ディスクドライブ「5.25インチUDO(ユーディーオー:Ultra Density Optical)規格(案)」を策定, ソニー
プロフェッショナルディスクシステム『XDCAM』について, ソニー
業務用ストレージ向け光ディスクドライブおよびメディアを商品化, ソニー
記録メディア, What's XDCAM, ソニー
青紫色レーザーを用い、23.3GBの大容量記録が可能な業務用光ディスクドライブおよび同ディスクドライブを搭載したオートチェンジャー発売, ソニー

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