横河電機は、同社が宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙探査イノベーションハブ(以下、探査ハブ)による第7回研究提案募集に応募した提案「ブリルアン光相関領域計測を用いた光ファイバセンシングよる、高温・低温領域を含む系の分布温度測定と、ランダムアクセス機能による擬似リアルタイム測定」が採択され、共同研究を開始したと発表した。研究期間は、2021年12月~22年11月。宇宙の極限環境に置かれる設備を念頭に、光ファイバーケーブルを温度センサーとして用いた温度監視技術の開発を目指す。
横河電機のニュースリリース: https://www.yokogawa.co.jp/news/press-releases/2021/2021-12-27-ja/光ファイバーは、軽量で柔軟な上、耐雷性や防爆性が高いといった特徴を持ち、センサーとして利用した場合は、全長にわたって温度やひずみ、振動の分布を測定できる。同社は、光ファイバー内で生じるブリルアン散乱光*1の周波数が温度やひずみによって変わる性質を利用した計測手法「ブリルアン光相関領域反射計測法(Brillouin Optical Correlation Domain Reflectometry:BOCDR)/解析計測法(Brillouin Optical Correlation Domain Analysis:BOCDA)」を採用し、光ファイバーセンサー「DTSX」を展開している*2。
*1 ブルリアン散乱光 音波による物質中の密度の微小な変化によって生じる光の散乱現象。
*2 BOCDR/BOCDAは、豊田工業大学学長の保立和夫氏が発明した技術
BOCDR/BOCDAは、光ファイバーの長手方向においてcm単位の分解能で温度・ひずみ・振動の測定が可能。DTSXは、長手方向に最大50kmの温度分布を捉え、従来の熱電対や測温抵抗体、放射温度計では難しかった広範囲を一括監視できる。防爆・耐誘導性に優れるため、プラントや社会インフラでの火災検知や設備保全などの用途で使われている。
同社は今回、探査ハブが募集した課題のうちアイデア型研究の研究課題「光ファイバセンシング技術の研究と発展」に応募し、採択された。研究では、DTSXの技術を発展させ、対象範囲の温度分布を広い温度領域で測定する。さらに、測定地点を選択的に変更可能な「ランダムアクセス機能」を開発。複数箇所を同時に、かつリアルタイムに近いかたちで監視する、といった活用を検討するという。
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