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Monday, January 4, 2021

武器は自社開発の歴史。技術を応用するのは世界だ - Forbes JAPAN

独立系VCのグローバル・ブレインが、オープンイノベーション推進のために、CVCを運営する大企業を集めたコミュニティ「αTRACKERS」。今回は、2020年4月にCVCを立ち上げたセイコーエプソンに話を聞いた。「自ら技術資源を外出しして新しいビジネスを創出する」という成長戦略は会社に何をもたらすのか。
セイコーエプソンは昨年4月、子会社・エプソンクロスインベストメント(EXI)を設立し、総額50億円の第1号ファンドを立ち上げた。

「これまで私たちは、垂直統合にこだわりをもち、開発・設計・製造から販売まで、すべて自社でやってきました。ただ、良質なコア技術はあるのですが、社内ですべてをビジネスとして完結させることは難しい。そこで、コア技術をもっと広く活用し、世の中に役立てるために、オープンイノベーションの発想で実力と熱意のあるパートナーと手を組むほうがいい、と考え方が変わってきました。CVCを立ち上げたのは、そんな新しい方向性の一つです」

小川恭範・セイコーエプソン社長(EXI代表取締役兼任)は、このように狙いを語る。

CVCに進出する大企業はその目的を、技術や販路など、自社に不足する機能を外部に求めるケースが多い。その点、セイコーエプソンの戦略は逆で、自らの技術資源を核にして、オープンイノベーションで新しいビジネスを創出しようというのである。

時計メーカーとして事業をスタートさせた同社は、関連技術を蓄積し、デジタル化への流れの中で電子回路から半導体などのコアデバイスも自社開発。そんな中から現在の主力製品であるインクジェットプリンターやプロジェクターなども生み出してきた。

「自社開発という文化によって、製品開発の歴史を切り開き、成長してきたことは事実。ただ、これだけでは、今後の成長には限界がある」

次なる成長戦略を、CVCという新たな手法で実現していこうというのである。

自社では想定していなかったような技術の応用が可能に


CVCによって、どのような事業を狙うのか。それは、技術を活用して世の中の社会課題を解決していくような事業である。

「つまり、プロダクトを開発して世の中に役立てる、という従来型発想の順番を変えて、“こういう世の中にしていきたい”というようなビジョンをもったベンチャーに最適な技術を使ってもらい、プロダクトやサービスを開発する、ということです」

例えばインクジェット技術は紙へのプリントからスタートしたが、すでにさまざまな産業用途へ活用されており、3D分野への応用として、バイオプリンティングへの活用研究も行われている。

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