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Tuesday, March 31, 2020

新型コロナに応用、重症化率探る 三浦さん(米沢出身)が育志賞 - yamagata-np.jp

新型コロナに応用、重症化率探る 三浦さん(米沢出身)が育志賞

賞状を手に喜びを語る三浦郁修さん=山形市

賞状を手に喜びを語る三浦郁修さん=山形市

 オランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)の客員研究員でこの春、東京大大学院工学系研究科を卒業した三浦郁修(ふみなり)さん(29)=米沢市出身、山形東高卒=が、日本学術振興会の育志賞に輝いた。大学院博士後期課程に在籍し将来、日本の学術研究の発展に寄与することが期待される優秀な学生を顕彰する同賞。三浦さんは感染症に関し、不顕性感染者(感染しているが無症状の人)の割合や感染リスクについて、数理モデルを用いて推定する研究が評価された。

 三浦さんは大学院在学中の2018年9月から、自ら応募して「感染症数理モデル」の研究が盛んなRIVMの客員研究員に就き、研究を続けてきた。感染性下痢症の主要因となるノロウイルスを取り上げて、日本国内で生じた集団感染のデータを集めて解析し、不顕性感染が30~40%と高い割合であることを推定。各世帯の感染履歴のデータから、家庭内などの閉鎖環境では症状がない感染者も、症状がある人と同程度に他人に感染させる力が高くなることを明らかにした。

社会的問題
 修士課程時代は世界保健機関(WHO)でインターンシップとして、安全な飲料水を提供するための病原微生物のリスク管理に関する研究にも携わった。さまざまな国際機関で疫学、公衆衛生、リスク管理と、横断的に「人が感染する」現象の解明を進めてきた点も認められたという。「感染症は、伝播(でんぱ)に必ず他人が介在するという意味において極めて社会的な問題。人々が協力して感染拡大を防ぐ仕組みを学術的に構築したい」と意欲的だ。

 RIVMでは疾病管理センターに所属。感染プロセスを理解するための新しい数理的な手法や推定アルゴリズム(計算方法)をつくり、例えばインフルエンザや麻疹のワクチンを誰に、どのように、どのくらい分配すれば良いか、といった政策を提言する仕事に当たる。「世界トップレベルの研究者との研究は刺激的。自分のような若手でも積極的に議論できて、恵まれている」と充実感をにじませる。今後は都市を循環するウイルスを防ぐシステムの構築を目指すという。

 新型コロナウイルスが猛威を振るう中、三浦さんは自身の研究テーマを応用して各国のデータを基に、新型コロナについても不顕性感染者の割合や重症化率を探っている。時々刻々と患者数や死亡者数が変動する中、推定結果を日々更新しており「一定の不確実性を持ちながらも情報を発信せねばならず、責任の重さを感じている」と話す。

後進に期待
 育志賞は計18人に贈られた。日本学士院(東京)で3月4日に予定されていた授賞式のため、居を構えるオランダ・ユトレヒトから一時帰国した三浦さん。授賞式は新型コロナの影響で中止となったものの「衛生や予防は地味な分野。研究テーマが評価されてうれしい」と喜ぶ。「山形の中高生たちの刺激となり、研究者の道に進む人が増えてくれたら。そんな若者たちの手伝いもしたい」と意欲を見せている。

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