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Saturday, February 1, 2020

懐かしの「ルーレットおみくじ」は岩手・滝沢市に唯一の工場があった…ふるさと納税の返礼品で話題 - www.fnn.jp

あの“レトロなアイテム”がふるさと納税で…

自身で選んだ自治体に寄付をすることで、「返礼品」として地域の特産品をもらうことができる、ふるさと納税。

地域自慢のグルメや工芸品だけでなく、中にはダイビングや陶芸の体験コース、はたまた「観賞用のマンホールのふた」などのユニークな返礼品を用意している自治体もあり、今まで知らなかった名物を知ることができるのも魅力だろう。

そんな“隠れた名物”として、今、岩手県滝沢市の返礼品がSNSを中心に注目されている。
それが、この「ルーレット式おみくじ器」だ。

ちょっとレトロな喫茶店やレストランのテーブルで見かけて、話のタネや暇つぶしにやってみたことがある人もいるだろう、コロンとした丸いフォルムが懐かしいこのマシン。

各星座の絵が描かれた投入口から100円玉を入れると、筒状に巻かれたおみくじが出てくる仕掛けで、さらにマシンの上部ではルーレットが開始。おみくじを開くと、このルーレットで出た数字によって運勢を占うことができる。

触ったことがある人なら、ハンドルを指で挟む「カシャッ」という音も懐かしい、このレトロなおみくじ器。実は滝沢市の「有限会社 北多摩製作所」が現在は唯一の製造工場なのだという。

SNSではこの投稿に「ラーメン屋さんで見たことある!」「喫茶店で見た!」など、目撃情報が続々。しかし何と言っても多かったのが「懐かしい!」という声。

このおみくじ器は30,000円以上の寄附で貰えるということで、投稿者の魔女っこれい(@majyokkorei)さんは「幼少期にずっと憧れていたものを家に飾り眺めたかった、製造元の北多摩製作所さんのお仕事に感銘を受け応援したかった、主人の実家もある東北に納税したかった」として返礼品に選んだという。

確かにレトロ感が満載で、欲しいと思う人は多いかもしれない。果たして、同じようにふるさと納税でゲットしている人はどれほどいるのだろうか。まずは「ルーレット式おみくじ器」生みの親である、北多摩製作所にお話を聞いてみた。

最盛期は「数十万台」のヒット商品!

――おみくじ器を最初に作ったきっかけは?

当時流行していた、おみくじ器の上部に灰皿がついた「灰皿おみくじ器」がきっかけです。このおみくじ器をもとに、様々な製品を扱う工場がアイデアを持ち寄り、「ルーレット式おみくじ器」が完成しました。

――現在、どれくらいのおみくじ器を販売している?

月100~200台ほどを販売しています。

約40年前に製作を開始したというルーレット式おみくじ器。5~6年経つと年間で数十万台という生産数を誇る人気商品になり、また販売当初は店舗とのリース契約という形で提供されていたのだという。その後、今から6~7年前に個人向けの販売を開始。公式サイトを開設したことにより少数単位の注文が増え、今では月100~200台の注文があるという。

ちなみに、注文があるのは居酒屋やラーメン屋など様々だそうで、今でも確かに「昔懐かし」のお店の光景は受け継がれているようだ。

――おみくじ器が滝沢市の返礼品になった経緯は?

実は、このおみくじ器が「地域の特産品」だと認められるのは時間がかかりました。しかしその後2014年に滝沢村(滝沢市の前身)が市として発足した際、「チャグチャグ馬コ」柄の特別なおみくじ器を作ると、たいへん好評を頂きました。この事を受けて、2015年に滝沢市より「ふるさと納税の返礼品にしましょう」というお話があった、というのが経緯です。

「チャグチャグ馬コ」柄のおみくじ器(提供:滝沢市)

このおみくじ器がふるさと納税の返礼品の仲間入りした大きなきっかけが、滝沢市の名物「チャグチャグ馬コ」とのコラボレーション。滝沢村が市となる記念的なタイミングで登場したおみくじ器は大好評となり、1年後には人気商品の並ぶ返礼品のラインナップ入りした、というワケだ。

実は初年度は申し込み0件…

では、そんな大人気のおみくじ器、今はどれくらいの人たちが手にしているのだろうか。
滝沢市のふるさと納税担当者にお話を聞いた。

――このおみくじ器を返礼品のラインナップに入れた理由は?

当該おみくじ器は、現在では滝沢市のみで製作・販売されているものであり、また、多くの人の記憶に残っているものでもあるので、“滝沢産”を推すのに最適な商品だと思い、選定しました。


――実際におみくじ器を返礼品に選ぶ人は年間どれくらいいる?

返礼品として取り扱っているおみくじ器にはいくつかバージョンがあるので、各バージョンを合わせた総合計値をお伝えします。

平成30年度の申込状況は17件、寄附額にして61万円のお申込みをいただきました。
令和元年(平成31年)度については、4月1日からTwitterで話題となる直前の令和2年1月17日までに20件、寄附額にして70万円のお申込みをいただいております。

Twitterで話題となった令和2年1月18日~23日までの6日間で13件、寄附額にして45万円のお申込みをいただきました。

提供:滝沢市

――では、おみくじ器は取り扱い当初から人気の返礼品だった?

ふるさと納税においてルーレット式おみくじ器の取り扱いがスタートしたのは、インターネット上のポータルサイトによるふるさと納税受付を開始した2015年からです。取り扱いをスタートした初年度は申込件数0件でした。

――Twitterで“バズ”った反響は?

おみくじ器のページの閲覧数は平成30年度で355view、平成31年4月1日~令和2年1月17日までで941view、令和2年1月18日~1月23日の6日間で6624viewと、非常に大きな反響でした。

名産品「滝沢スイカ」柄のおみくじ器も…(提供:滝沢市)

――今後、他にも滝沢市の名物がおみくじ器とコラボする可能性は?

皆さまに滝沢市を知っていただくためにも、新たなコラボ商品を検討していきたいと思っております。


――SNSでは「欲しい!」という声が多数挙がっているが…

滝沢市のルーレット式おみくじ器に興味を持っていただき、そして、申込んでいただき、さらには、SNS等にいい感じに掲載していただいたおかげで、ここまで大きな反響が生まれたものと思っております。非常にありがたいなと思います。

これをきっかけに、滝沢市のことを知っていただけたら嬉しいです。我々としても、もっと滝沢市のことを知っていただく努力をしていきたいなと思います。

――今回、おみくじ器が注目されましたが、他におすすめの名産品は?

合鴨農法で育てた米や、特産品の滝沢スイカ、滝沢りんご等、様々な農産物があります。りんごについては、糖度17度以上を保証した数量限定の超高級リンゴ「プレミアム滝沢はるか」など一風変わったものもあります。また、工芸品などもラインナップしております。

正直、まだまだ発掘できていない滝沢産品が沢山あります。皆様に楽しんでいただけるような返礼品の発掘に努めてまいりたいと思っておりますので、今後とも、滝沢市をよろしくお願いいたします。

一度は見たことがあるだろう懐かしのグッズが、実は国内でたったひとつの工場が作る“特産品”であったという、ちょっと驚きの事実。
ふるさと納税で取り扱った初年度には1件も申し込みがなかったそうだが、今では月20件ほどあるそうで、特にTwitterで話題となってからはわずか6日で13件の申し込みがあるなど、盛り上がりを見せているようだ。

何かと話題になるふるさと納税だが、よくよくその中身を見てみれば、改めて地域の隠れた魅力に気付くきっかけになるかもしれない。

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February 02, 2020 at 10:30AM
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