「資源にできないごみはない」が信念。自身が創業し、現在は会長を務める産業廃棄物処理業「アオキミツル商事」(茅ケ崎市)が扱う産廃は、ほとんどがリサイクルされ、ごみではなくなるという。
輸送コストなどの制約で大半の産廃業者の営業エリアは限られるが「三十六都府県に物流網を築き、大手を除けば全国初では」と自負する。業界では珍しい広域営業を可能にしたのが、試行錯誤の末に開発したアオキ式熱分解装置だ。
ゴムの中に鉄板が入る重機部品など、最終処分場も引き取りを嫌う処理困難物を専門に扱う。主に関東の同業者から収集した一般的な産廃を広島や北陸などの最終処分場へ運ぶ。「手ぶらで帰れば赤字だが、各地の同業者から処理困難物を集めながら帰るので、採算が合う」と解説する。
埋めるしかないような産廃も引き取るので、各地の同業者や最終処分場に喜ばれる。しかも、処理困難物がこの装置で重油や鉄、土壌改良剤などに生まれ変わり、厄介ものが重宝されるリサイクルを生んだ。
ごみにも秘めた価値を見いだす原点は、生い立ちにある。十二人家族で、八人兄弟姉妹の次男。家庭は貧しく「ものを大切に」と言われて育つ。「服もかばんもお古。毎年暮れに近所の人がくれる中古の靴を大事にはいた」。毎朝三時に起き、市場へ出す作物を収穫してから登校。夏休みは親戚の炭焼きを手伝った。
中学卒業後、酒屋やスーパー、鮮魚店で計十七年働き、四トン車一台を元手に産廃業界へ進む。有害な排煙が社会問題化した時、処理施設が引き取らなくなった廃タイヤが山になり、無害化処理を模索。「理系の知識はなく、無酸素だから木は燃えずに炭になる炭焼きを試した」という。
鉄やタイヤを入れた穴を土でふさぎ、無酸素状態で燃やし、掘り返すとタイヤは炭に。鉄は酸化せず、スクラップ屋から「いい鉄だ。高く買う」と言われ、商機をみた。一人で十三年間、実験と研究を重ね、熱分解装置を完成させていく。
会社の基本理念は、地球環境の保全。「熱分解装置に蒸気タービンをつければ、二酸化炭素(CO2)や有害物を排出せずに発電でき、火力発電や原発を代替できる」。温暖化防止を次の目標に掲げ、情熱を燃やし続ける。 (西岡聖雄)
<アオキ式熱分解装置> 炭焼きの原理を応用し、廃タイヤなどを無酸素で蒸し焼きするリサイクル装置。生じたガスは冷やすと軽油や重油になる。炭化した残さ物を焼き直すと、焼く温度に応じて活性炭や土壌改良剤などになる。処理が困難な鉄とゴムの複合廃棄物から鉄を取り出す。いずれも製品化し、主な収入源になっている。油にならないガスは高温燃焼し、無害な排煙しか出ない。2013年に特許登録された。
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February 24, 2020 at 05:22AM
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かながわ未来人>炭焼き応用でリサイクル装置特許 アオキミツル商事会長・青木三留(あおき・みつる)さん(72):神奈川(TOKYO Web) - 東京新聞
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