福井も積雪シーズンに入ったが、毎年気が重くなるのが雪かき。実はジョギングと同等か、それ以上の運動強度があり、特に運動不足の人が無理をすると腰や膝を痛めてしまう。応用健康科学が専門の山次俊介・福井大准教授にスコップを使った雪かきのこつを聞いてみると、ポイントは「姿勢」だという。
雪かきで痛めやすい箇所は腰や膝、肘。構造的に弱い部分なので、周囲の筋肉が負荷に耐えられないと痛めてしまうという。雪かきの動作は▽地面から雪をすくう▽放る―の二つ。山次准教授は「ちゃんとした動作で行えば痛めることはなく、疲れにくい」と強調。それぞれの動作のポイントを指南してくれた。
【すくう】
背中が丸まった状態で腰を曲げ、膝を前に突き出してしゃがむのはNG。背中が丸まっていると腰により強い負担がかかる。スコップをギュッと握ると腕で持ち上げるようになり、腕がすぐ疲れてしまう。
スコップはできるだけ軽く握り、背筋を伸ばしてお尻を突き出すように股関節を曲げて重心を落としていく。この時、膝の位置はそのままの場所で。雪をすくったら股関節から伸ばして重心を上げる。
【左の写真】悪い例。背中が丸まった状態で腰を曲げ、膝を前に突き出してしゃがむ。【右の写真】良い例。背筋を伸ばし、股関節を曲げて重心を落とす。膝の位置はそのまま。
スコップを握った手から雪に近づけようとすると自然と膝と腰から曲がってしまう。「膝から曲げる」と太ももを使ってしまいすぐ疲れ、「腰が曲がる」と腰を痛めてしまう。手から雪に近づけるのではなく、股関節から曲げてスコップを雪に近づけることを意識する。
【放る】
雪をすくった後、その場から動かずに上半身をひねって放りがち。効率的な動きかもしれないが、腰にはかなりの負担だ。放りたい方向へ足を出し、肘を伸ばしたまま、腕の力ではなく股関節を一度曲げてから伸ばす力を利用して放るようにする。
腰が痛かったり、張ったりした時は背中が丸まっている、太ももの前が疲れたり膝が痛くなったりするのは膝を過剰に使っている証拠だ。正しい動きでイメージするといいのは、重い荷物を持つ時やスクワット。雪かきをする前に、椅子を使って正しいフォームを練習してみるといい。流れは次の通り。
【左の写真】悪い例。腰をひねって放る。【右の写真】良い例。放りたい方向へ足を出し、股関節を一度曲げてから伸ばす力を利用して放る。肘は伸ばしたままで。
①背筋を真っすぐにしたまま椅子に座る②上体を倒して立ち上がる③股関節から曲げて座る。常に背筋を伸ばすことを意識する。
山次准教授は「運動不足の人にとって、雪かきはきつい運動。『ややきつい』程度の雪かきにとどめておくようにして」と呼びかけた。
雪かき後は腰をさすってケア
雪かきを終えた後、家族に腰をマッサージしてもらう人もいるだろう。しかし、筋肉について詳しくない人が、もんだり、押したりして強い刺激を与えると「逆に痛めてしまう可能性があるので避けた方がいい」と山次准教授。ケアをしてもらう場合は、背骨に沿って軽くさすってもらうようにする。さするだけでも、筋肉がほぐれ、血行が良くなるという。
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