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「IT資格実態調査」を2023年10月から11月にかけて、日経BPの技術系サイト「日経クロステック」で実施。編集部が選んだ50種類のIT資格について、アンケート形式で保有状況や役立ち度合い、今後の取得意向を調べた。IT資格実態調査は2017年から毎年実施しており、今回は7回目に当たる。今回から新たに、調査資格の選択肢に「ITパスポート」を追加した。
応用情報技術者が最も役に立つ資格と評価
IT資格の効力は日々の実務に役立つだけでなく、昇進や転職などにも及ぶ。調査対象とした50種類の資格のなかで今、保有価値が高いのはどれか。日経クロステック独自の指標で評価した。
資格を評価するポイントとして、「実務に役立った」「昇格・昇進に役立った」「転職に役立った」「昇給や報奨金を得た」という4項目を用意。無回答者を除き、項目ごとに100点満点で算出し、その合計(400点満点)で回答者が10人以上の資格をランキングした。
最も保有価値が高いと評価されたのは「応用情報技術者」で合計点は73点だった。得点の内訳を見ると「昇格・昇進に役立った」「昇給や報奨金を得た」が1位で前回調査の12位から大きくジャンプアップした。
今回2位に入ったのは「ITストラテジスト」だ。全資格中トップになった項目はないが、特に「実務に役立った」「昇給や報奨金を得た」の得点が相対的に高い。前回調査の13位から大幅に順位を上げた。
個別項目についてトップの資格を見ると、「実務に役立った」と最も評価されているのは「情報セキュリティマネジメント」だ。また、「昇格・昇進に役立った」のトップの点数は8点で、該当する資格は4つある。「応用情報技術者」「オラクル データベース分野(ORACLE MASTER、認定MySQLなど)」「プロジェクトマネージャ」「システムアーキテクト」だ。「転職に役立った」で1位の資格は「情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)」、「昇給や報奨金を得た」という1位の資格は応用情報技術者だ。
今回、上位19位までの顔ぶれに新たに加わったのが、「ITパスポート」(9位)「情報セキュリティマネジメント」(12位)「LinuC/LPIC(Linux技術者認定試験)」(17位)「G検定(JDLA Deep Learning for GENERAL)」(18位)の4つの資格だ。セキュリティー事件の増加による危機意識の高まりや、生成AI(人工知能)などでAIが再注目されるのも、これらの資格の保有価値向上を支えていると見られる。
一方で、前回調査で20位以内にランクインしていた「ITサービスマネージャ」は合計点が36点、「エンベデッドシステムスペシャリスト」は合計26点、「シスコ ルーティング&スイッチング分野」は17点「UML系(UMLモデリング技能試験、OMG認定UML技術者資格試験)」は11点と比較的高得点のものもあったが、今回は回答者の数が10人に満たなかったため、ランキングから外れた。
50資格全ての点数の平均点を算出すると、21点だった。前回調査の平均点は46点だ。各項目の最高点数は前回調査よりも下がっており、前回と比較すると資格取得の効果を実感する度合いが低くなっていると言える。
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