東北大学・ジャムコ、金属AM応用しチタンとCFRPを接合
22/06/08
東北大学と航空機部品などの製造を行うジャムコ(東京都立川市)は5月26日、金属アディティブマニュファクチャリング(金属AM)を応用して、チタン合金と炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を接合する異種材料接合技術を開発したと発表した。チタン合金の表面に円柱状の突起を金属3Dプリンタを用いて造形し、CFRPを熱プレスすることで接合を可能とした。輸送機器や構造物の大幅な軽量化が期待できる。
東北大学大学院工学研究科の白須圭一准教授、水谷正義准教授、同大学流体科学研究所の大林茂教授らとジャムコの共同研究グループが開発した。
研究グループは金属AMを用いてチタン合金とCFRPの直接圧着した接合体を作製。従来の接着剤による接合と同等以上のせん断接着強度(20・6Mpa)を実現した。
金属基板の表面に円柱状の突起を3D造形することで「CFRPへ効率的にせん断荷重を伝達させることで、せん断接着強度が向上できる」(研究グループ)
開発技術は、金属AMにより突起を設けたチタン合金とCFRP板の間にシート状の中間材を挟み、加熱しながら圧着することで接合材を作製した。
チタン合金板の3D造形にはレーザ方式(SLM)の金属AM装置を使用した。
圧着時に円柱状の突起にCFRPが食い込むことで接合界面での破断(界面はく離)が抑制され、市販のチタン合金板にCFRPを圧着した接合体に比べてせん断接着強度が64%向上した。
また従来の接着剤のせん断接着強度と同等以上(20.6 MPa)を実現し現在、金属とCFRPの接合で主に使われている接着剤での接合と比較して同等以上のせん断接着強度を発現させることができたとしている。
現在、自動車や航空機など輸送機器では燃費向上やカーボンニュートラルへの対応により、大幅な軽量化が求められている。航空機においては、軽量化のためのCFR
だけでなく,ガラス繊維強化プラスチック、やアルミニウム合金、チタン合金、ハイテン鋼といった様々な材料が使用されている。
こうした軽量化材料を組み合わせたマルチマテリアル構造が求められるが、異種材料接合には接合部での腐食の発生や接合強度を得ることが難しいといった課題があった。
今回の研究は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の先導研究プログラム「航空分野における現行接合以上の信頼性を達成するマルチマテリアル3D接合・最適成形技術の開発」により開発された。
研究グループは今後M組み合わせるCFRPの特性を考慮した金属表面構造の最適化を図ることで、直接接合の実用化への展開を図る方針。
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