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Thursday, July 8, 2021

銅合金マスク開発 - 世界初・独自の蒸着技術を応用/やまと真空工業と県立医科大|奈良新聞デジタル - 奈良新聞

 真空蒸着加工の「やまと真空工業」(香芝市、岩本三生社長)は県立医科大学(橿原市、細井裕司学長)と産学共同で、抗ウイルス効果の高い銅合金の粒子を蒸着させた不織布マスクを開発した。県立医科大学が実施した銅合金加工済みマスクの試験では、30秒後に99・9%の新型コロナウイルスが不活化した。同大学によると、銅合金を蒸着させたマスクの開発は世界初という。現在、特許を出願中。1枚150円前後で、8月中に一般販売する予定だ。 

 同社は金属の粒子などを蒸発させ、プラスチックの表面に付着させる「真空蒸着」加工を手掛ける製造メーカー。昨夏、独自の蒸着技術を応用して抗ウイルス加工を施した不織布マスクを開発した。 

 昨年12月ごろから、県立医科大学との産学共同で、抗菌、抗ウイルス効果の高い銅合金を不織布マスクに蒸着させる技術開発を開始。銅合金の粒子を不織布に蒸着させる実験を繰り返した。銅合金への熱伝導が難しく、破片が不織布に付いたりもしたという。開発開始から約半年、銅合金の粒子が不織布への蒸着に成功した。

 県立医科大学によると、銅合金は短時間でウイルスを不活化させる作用を持っており、同大学は新型コロナウイルスに対しても銅合金のマスクに付着させると、30秒間で99・9%不活化させるという試験結果を発表した。一方、同社が開発した従来の不織布マスクでは2時間で99・9%不活化させていた。

 同大学の矢野寿一教授は「銅合金は圧倒的な速さで新型コロナウイルスを不活化させる。接触感染を防ぐことに期待できる」と評価する。

 完成したマスクは、銅合金の粒子の色である淡い灰色をしているのが特徴。1枚150円前後で8月中に一般販売を始める。

 また、同社は不織布マスクとともに、銅合金を蒸着させた仕切り板も8月中に販売する予定。

 岩本策三専務は「さらにマスクの改良を重ねる。弊社のマスクを広く使用していただき、感染症対策に役立ててもらえれば」と話す。

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