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Thursday, April 15, 2021

サーフィンはプレーニングでうまくなる。応用編パート3 - THE SURF NEWS「サーフニュース」

『サーフィンのバネ』意識する

≫サーフィンはプレーニングでうまくなる!パート1
≫サーフィンはプレーニングでうまくなる!パート2

シリーズ「おいらはサーファーの味方」No.51


さて、パート1ではプレーニングのメカニズムを知ってもらい、パート2ではサーフボードデザインとプレーニングの関係について書いた。このパート3では、プレーニングを応用したサーフィンを解説したい。君のサーフィンの役に立てたら最高だ。

今回も結論から先に言おう。プレーニングは『サーフィンのバネ』でもあり、これを活用するかしないかでサーフィンに大きな違いが出るということだ。

サーフボードはバネの上を滑走している by RR

プレーニングというバネは可変する

サーフィンのバネはプレーニング中のときだけ発生する。プレーニングの速度が増せばバネは固くなっていく。プレーニングが遅ければ、その逆でバネは柔らかくなり、停止すればバネの効果も終わりサーフボードはズブズブと沈む。

波がパワーを増すとフェイスが固くなったような感じがサーフボードから伝わってくるが、それはプレーニングの速度が増してバネが固くなったからだ。要するに波のパワーが少ないときはバネが柔らかいためにサーフボードを思うようにコントロールできなない。

バネの固さに合わせてサーフする

プレーニングの速度によってバネの固さが変化するために、バネの固さに合ったサーフィンをしなければならない。小さい波が得意だけど、大きな波は苦手というサーファーは固くなったバネに対応できないからだ。その逆で小さい波が苦手というサーファーは柔らかいバネに対応できていない。

プレーニングから発生する波のバネを活用できれば、君のサーフィンは思いのまま Occy Photo : ASP/WSL

もう1つのサーフィンのバネ

プレーニングによってバネが発生すると言ったが、じつはサーフィンにはもう1つのバネが存在する。それはサーフボードのフレックスだ。フレックスは『しなり』である。プレーニングのバネは速度によってそのバネの固さが変わるが、サーフボードのバネ、つまりフレックスは材質によって変化する。フォームやストリンガー、クロスの枚数さらに樹脂の違いによってそのフレックスは変わる。

2つのバネのハーモニー

プレーニングのバネとサーフボードのバネ(フレックス)をどう活用するかで君のサーフィンが決まる。この2つのバネを上手に活用する鍵は『ハーモニー(調和)』だ。上手なサーファーが小波でも加速させて自由自在にサーフボードをコントロールできるのは、パワーではなくこのハーモニーがリズミカルにできているからだ。

プレーニングによるゼログラビティと、ダウンザラインからの重力をボトムの『バネ』が受け止めるという不思議な感覚を満喫するマエストロ、トム・カレン Photo : Cory Scott SURFINGLIFE.COM.AU

どうやってバネを活用するか?

・小波(ヒザコシ〜)

小波と言ってもさまざまで、パワーのある小波とそうでない小波がある。サイズが小波でもパワーがあればプレーニング速度が増し、つまりバネが固く、ターンしてもレスポンスが良いから加速しやすい。一方、パワーの無い小波は、テイクオフのパドルスピードや無駄のないポップアップなど、繊細にプレーニングのスピードを上げることが求められる。さらに柔らかいバネのリズムに合わせた初速のターンが鍵となる。

小波対策にはプレーニングの早いサーフボードを選ぶのも良い。フレックスの固いEPS素材なども柔らかいバネに対してレスポンスが良い。

・大波(〜オーバヘッド)

大波が苦手なサーファーは、波のバネが固くなっていることを意識していない場合が多く、小波と同じリズムでサーフしようと思っても失敗する。大波は波のフェイスをドロップするだけでも十分に加速できるからだ。ここで重要なのは、ドロップから得た重力(速度)を波のボトムのバネへ、しっかり載せられるかどうかだ。それには両足でバネの反発を受け止めるように、レールに加重してターンしなければならない。それが『レールターン』と呼ばれるテクニックだ。固いバネをレールターンでコントロールできれば、無駄な力を入れなくてもサーフボードはどんどん加速し、エアリアルさえも可能にする。

まとめ

波のフェイスには『サーフィンのバネ』が潜んでいる。プレーニングの速度によってバネの硬さは変化する。バネの固さに合わせて調和のとれたサーフィンを心がけよう。

(李リョウ)

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