(独)住宅金融支援機構(JHF)のリバースモーゲージ型住宅ローン「リ・バース60」への申し込み数(付保申請戸数)が初めて年間で1000件を超え、過去最高となった。コロナ禍で先行きが不透明な中、住み替えやリフォームの資金調達方法として、より注目が集まっている。
「リ・バース60」はリバースモーゲージの要素を取り入れた住宅ローン。対象は高齢者、毎月の支払は利息のみで利用者死亡時に自宅と敷地で一括返済するという点はリバースモーゲージと同じだが、融資資金の利用使途がリフォームや建て替え、住み替えなどに限定される点が異なる。
2017年から、金利は上がるが、一括返済時に担保割れしても担保以外の返済義務が生じないノンリコース型を選択できる仕組みを導入。これが起爆剤となり、近年、申込者数を大きく伸ばしてきた。令和2年度(2020年4月〜2021年2月末までの速報)は全国で前年同期比117%の1010戸と初めて年間で1000戸を上回り、過去最高の利用実績となった。昨年の第一回目の緊急事態宣言のあたりで、一度申し込みの伸びが鈍化したが、夏以降はコロナ禍においても順調に申し込み数を伸ばした。
利用が多いエリアは、首都圏(神奈川、東京、埼玉、千葉)の他、大阪、北海道、兵庫、静岡及び愛知。「特に地方で利用が増えてきている」(住宅融資保険部 リ・バース60推進グループ長 牟田寿穂氏)という。
令和2年度の利用使途は、注文住宅の購入、戸建リフォーム、住宅ローンの借換え、新築分譲マンションの購入の順で多い。中でも借り換えは前年度よりも約40%増と最も大きい伸び率を示した。その理由について、牟田グループ長は「取り扱い金融機関が家計の見直し策として、リ・バース60への借り換えを積極的にPRした結果が大きいのではないか」としており、コロナ禍で経済的な先行きが不透明な中、今後も家計の見直し策の一つとして、リ・バース60への借り換えが増える可能性がありそうだ。
先述したように、ノンリコース型を選択できることがリ・バース60の大きなメリットだが、令和2年度の申込者数の約99%は「ノンリコース型」を選択。2017年度はノンリコース型が61%、リコース型が39%であり、「リ・バース60=ノンリコース型の商品性が定着してきた」と、牟田グループ長は話す。
(独)住宅金融支援機構では、「これまで以上に全国的な認知度と理解度を図り、さらに普及させていきたい」(牟田グループ長)とし、リ・バース60のPR活動を強化する。テレビ、新聞、ウェブ、雑誌などの媒体での広告をより積極的に行っていく方針だ。
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