◆すべての仕事のベースにある「丁寧」
著者の池田輝男(いけだてるお)さんは、池田ピアノ運送株式会社の代表取締役社長を務めています。取り扱うものはピアノばかりでなく、大型家電、フィットネス器具、OA機器、通信設備機器、音響製品、印刷機器など大型精密機械全般に渡ります。
会社の顧客アンケートは、白紙でFAX送付とハードルがありながら、提出率は高く、約6割が「仕事が丁寧」、約4割が「迅速」と回答を得ています。なぜこれだけ高い評価を受けるのか。その理由となるキーワードこそ「丁寧」です。そこには時間をかける「ただ丁寧なだけ」ではない、スピード感が求められます。
◆「丁寧」さは技術ばかりではない
「丁寧」かつ「迅速」を実現するための仕事術を、池田ピアノはどのように実践しているのでしょうか。本書では多くの具体例が取り上げられていますが、その一部を紹介しましょう。
・ピアノ本体は手の甲でチェック(指紋や皮脂を付けないのはもとより、手の甲は指や手のひらより敏感なため)
・ピアノはすり足で運ぶ(伝統芸能の能のイメージ)
・匂いへの気配り(社員にはボーナスで禁煙手当も支給)
・前日のルート確認など徹底した事前準備(事故やミスを防止し、仕事のイメージを掴みゴールをイメージ。「丁寧な仕事」の8割は「準備」で決まる)
といったものです。
これらの例を見てゆくと「丁寧な仕事」には、技術ばかりではなく、顧客の立場を考えた気づかいが求められるとわかります。著者は「お客様が感動するのは技術を提供する『人』」であり、その人がする仕事の「丁寧さ」にあると説きます。
ただし、現代の風潮としてありがちなサービスの押し付けや、クレームを恐れた「転ばぬ先の杖」的な過剰なサービスには否定的です。さらに、一律のマニュアルに縛られない「お店ごとのマイルール」を作る必要を著者は説きます。こうした顧客の百人百様のニーズに合わせるメソッドはあらゆる職種に応用可能なものでしょう。
◆「丁寧」を志向する著者の原点
著者は、大学卒業後、大学事務職員を経て、業界ナンバーワンと言われたピアノ運搬会社へ入社します。そこでまかり通っていた、仕事の粗雑さに疑問を持ち「ピアノ運搬業界のステイタスを上げる」目標を掲げ、現在の会社へ転職し、業界トップと成長させました。
そこで意識したのは「丁寧な仕事」にほかなりません。それは特別なスキルな能力を必要としない「日本人だったら当たり前に共通認識として持っているものをベースにした仕事術」だと著者は記します。本書を読み、今すぐにできる「丁寧な仕事」を始めてみてはいかがでしょうか。
【書籍情報】
『「丁寧」なのに仕事が速い人のヒミツ』
2021年1月27日発売
¥1,540(税込)
Amazonページ短縮URL: http://urx.space/QXJs
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