Pages

Monday, August 23, 2021

おでこを電気刺激すると冷たく感じる VR HMDに応用も 電通大が実験 - ITmedia

Innovative Tech:

このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。

 電気通信大学 梶本研究室の研究チームが開発した「Thermal Sensation on Forehead Using Electrical Stimulation」は、額に電気刺激を与えることで冷感を与える触覚システムだ。

photo 電気刺激装置をゴムバンドで額に固定し装着している様子
photo 電気刺激を与えるポイント

 VR(仮想現実)で温度感覚を与える装置には、通電させることで熱を移動させる機能を持つペルチェ素子をHMD(ヘッドマウントディスプレイ)内側のクッションに組み込む手法、鼻に香りを噴霧し温度感覚を錯覚させるシステムなどの例がある。後者では、直接皮膚を暖めたり冷やしたりせず、人間の錯覚を利用している。

 今回の手法も人間の錯覚を利用する。額に電気的に刺激を与えると、時折、冷感が生じるという現象を活用したものだ。

 額の電気刺激で冷感が得られるのであれば、HMD内部に熱がたまらず、省スペースで消費電力も少なくて済む。熱や化学物質を必要としないため、反応が速いメリットもある。実験ではこの冷感が安定して発生するかどうかを調べた。

 実験に用いた電気刺激装置は、61個の円形電極を等間隔に配置した六角形構造。各電極の直径は1.2mm、電極間の中心距離は2mm、電気刺激のパルス幅は0.5ms、パルス周期は11.0msだ。

photo 電気刺激装置の外観

 実験では、被験者の額の中央に厚さ1mmのゲルを貼り付け、ゴムバンドで電極を取り付けた。ジェルによる冷感の影響を少なくするため、実験はジェルの冷たさが感じられなくなってから行った。

 それぞれの電極に1mAの陰極刺激を加え、冷感が生じたかどうかと、冷たさの強さを0(室温)から9(氷を触ったような感覚)までの10段階で被験者に報告してもらった。今回用いたの電気刺激には振動や圧力の感覚が伴うため、振動強度と圧力強度も10段階で被験者に報告してもらい、冷感との相関関係を調べた。

photo 電気刺激装置を装着している様子

 実験では10人中9人が安定した冷感を得られたと報告。61個の電極のうち平均15.2個で冷たく感じた。一方で、冷感ポイントの数や場所、温度強度が人によって大きく異なることも確認した。

 電流の増加に伴って冷感が増加する傾向にある人が半分いたが、感覚が継続的に減少する傾向にある人、最初に増加した後に減少する傾向にある人も確認した。

 被験者のコメントによると、額への電気刺激によって生じる冷感は、氷を押し当てたときのような広がりのある冷たさではなく、針を押し当てたような局所的な冷たさだったという。

 この実験を通じ、額に電気刺激を与えると冷感が発生することが実証されたという。冷感ポイントの数や位置、電気刺激の条件によって個人差があること、冷感が発生するポイントも個人差があることも明らかになった。圧迫感の強さと冷感の強さの相関関係も確認した。

 電気刺激によって生じる冷感は、冷感に関係する有髄神経であるA-delta線維を刺激しているのではないかと研究チームは考察している。

Adblock test (Why?)


からの記事と詳細 ( おでこを電気刺激すると冷たく感じる VR HMDに応用も 電通大が実験 - ITmedia )
https://ift.tt/2WnfWn7

No comments:

Post a Comment